【インテリアトレンド2025】“まるい家具”が選ばれる理由

はじめに:インテリアの流行が“やわらかく”なってきた

インテリア業界において、ここ数年で明確な変化が起こっています。
それは「曲線」や「丸み」を帯びたデザインへの注目が一気に高まっているということ。

かつては直線的でシャープなデザインが“洗練”の象徴とされていましたが、
2025年現在、暮らしの中にはやさしさ・安心・温もりといったキーワードが求められるようになっています。

そして、これをもっとも体現しているのが――**“まるい家具”**なのです。

本記事では、なぜいま「まるい家具」が注目されているのかを、
トレンド・心理・実用性・サステナビリティの観点から、やさしく解説していきます。


1. データで見る:“まるい家具”の注目度

まずは具体的な数値から、まるい家具の人気ぶりを読み解いていきましょう。

◎ Googleトレンド:過去5年間で検索数が2倍以上に

キーワード「ラウンドテーブル」や「丸い家具」の検索数は、2019年〜2024年の5年間で約2.2倍に増加
特にコロナ禍以降、「家の中を整えたい」というニーズとともに伸びを見せています。

◎ Instagram・Pinterestでのトレンド化

  • 「#ラウンドテーブル」タグ付きの投稿は50万件以上(2025年5月時点)

  • 曲線を使ったレイアウトがバズり、リール動画でも人気

  • 海外インフルエンサーの投稿では**90%以上が「丸みのあるインテリア」**を採用

◎ ECサイトでの売上構成比

とある大手ECモールの家具ジャンルにおいて、丸テーブルの販売構成比が全体の30%を超えるというデータも。
これは「トレンド」でありながら「実際に売れている」という証拠でもあります。


2. デザインの潮流:「直線から曲線へ」の大転換

インテリアや建築の世界では、2020年代に入ってから**“柔らかいライン”のデザインが復権**しています。

◎ 有機的なフォルムが好まれる背景

  • スマホやアプリのUIなど、曲線を基調としたデザインが増えている

  • 「自然」「癒し」といった概念をかたちにしたものが、居住空間にも流入

  • カーブ家具(カーブソファ・ラウンドシェルフなど)がデザイナーから高評価

◎ 建築・インテリア展示会でも注目

  • 「ミラノサローネ」などの国際見本市でもまるい家具が主役

  • 建築でも「曲面天井」や「アーチ開口」がトレンド


3. 心理的なやすらぎ:“丸”がもたらす感情効果

「なんとなく落ち着く」
「柔らかく感じる」
その感覚には、実は明確な理由があります。

◎ 心理学的には「攻撃性がない形」

人間は無意識に、角のあるものに対して“緊張”や“注意”を向けます。
反対に、丸いものには安心や親しみを感じやすいという特性が知られています。

◎ 人間工学的にもやさしい設計

  • テーブルの角にぶつけない

  • 動線を遮らず、回遊性が生まれる

  • 物理的にも“当たらない空間”をつくれる

これは、特に子育て世代や高齢者世代からの支持が厚い理由でもあります。


4. スタイル別:まるい家具の取り入れ方

では実際に、どのように“まるい家具”をインテリアに取り入れていけば良いのでしょうか?
ここでは代表的なスタイル別にご紹介します。

▶ 北欧スタイル

  • ラウンドダイニングテーブル×木製チェア

  • 自然素材との相性が良く、部屋全体が温かみのある印象に

  • ペンダントライトと合わせて“包まれる空間”を演出

▶ ミッドセンチュリースタイル

  • 曲線を描くチェアや照明が特徴

  • セラミックやガラス素材のラウンドテーブルでモダンに昇華

  • 丸い鏡・アートをプラスするのも効果的

▶ ナチュラルモダンスタイル

  • 無垢の丸テーブル+アイボリーのファブリック

  • 壁・床の色味を抑えて、家具の形で柔らかさを出す

  • 植物との相性も抜群


5. サステナブルな観点からの支持

“形”が持つ意味は、環境への配慮という文脈でも再評価されています。

◎ 丸いテーブルは「使い回しやすい」

  • ダイニングでも、ワークスペースでも転用できる

  • 天板が傷みにくい素材なら長持ち

  • 引っ越し・模様替えでも“場所を選ばない”

◎ 廃材や再生材を活かしやすい構造

  • 無垢材でも小さな材を組み合わせやすい

  • 脚部を中心支柱にすると、資材の無駄が減る


6. よくある質問(Q&A)

Q. 丸い家具はレイアウトが難しいって本当?
→ 実は逆で、回遊動線が確保しやすく、狭い部屋でも圧迫感が出にくいというメリットがあります。

Q. どんな照明と相性がいい?
→ **やさしい拡散光タイプ(乳白ガラス・布シェードなど)**と合わせるのがベストです。

Q. 家族が多くても丸テーブルで対応できる?
→ 中心を囲むスタイルなので、4人〜6人程度までの人数なら十分対応可能です。


まとめ:“まるい暮らし”は、2025年の新スタンダード

家具は単なる道具ではありません。
**“心と空間を整えるインターフェース”**として、形や質感、配置のバランスが私たちの暮らしに大きく影響します。

2025年、家具選びの価値観は明確に変わりつつあります。
それは、「見た目がいい」だけでなく、「気持ちいい」「使いやすい」「長く使える」といった、人間らしさに寄り添った形が求められているということ。

そんな時代の空気を感じながら、“角が立たないまるい家具”で、
やさしさに包まれた、これからの暮らしをデザインしてみませんか?